後天性心疾患とは

後天性心疾患とは
生後に発症する心疾患です。代表的な疾患として以下のようなものがあります。

僧帽弁閉鎖不全(MR)

左心房と左心室を隔てる弁が僧帽弁です。この僧帽弁に異常が起こり左心室内の血液が収縮期に左心房に逆流してしまう疾患が僧帽弁閉鎖不全です。進行すると肺水腫などを引き起こしたりして予後を悪化させます。治療は内科学的な治療が獣医療では以前より一般的に行われていますが内科治療での限界もあり、最近では開心術での治療報告も良く見かけるようになりました。 下記は当院での実際の症例です。発咳、呼吸困難を主訴に来院された症例です。

  • 図12 左心室からから収縮期に左心房への血液の逆流が認められます。

  • 図13
    拡張した左心房
     

  • 図14 左心房圧の亢進が疑えます。

  • 図15 三尖弁(右房室弁)の逆流もあり、計測より肺高血圧症も合併している事が疑えます。

  • 図16 大動脈弁逆流も合併していました。

心筋症

心臓の筋肉の異常から起こる心疾患です。心筋症は猫での発生が多い心疾患です。肥大型心筋症(HCM)、拘束型(RCM)、拡張型心筋症(DCM)、不整脈原性右室心筋症(ARVC)などがあります。 下記は当院での実際の症例です。

  • 図17 閉塞性肥大型心筋症(HOCM)の症例 心筋の肥大が認められます。

  • 図18
    僧帽弁の収縮期前方運動(SAM)が認められます。

  • 図19 僧帽弁の収縮期前方運動(SAM)による流出路狭窄

  • 図20 僧帽弁の収縮期前方運動(SAM)による僧帽弁逆流

犬糸状虫症(犬フィラリア症)

蚊から媒介される伝染病です。 予防のページ で解説します。

僧帽弁閉鎖不全、呼吸器疾患や蛋白漏出性腸症などから2次的に起こる肺高血圧症 など