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猫の全臼歯抜歯

いつもご訪問ありがとうございます。
さて、今回は猫の難治性口内炎の症例に対して、全臼歯抜歯を行いました。
猫は口内炎があると、一気に食欲が無くなります。猫の口内炎の原因は様々あるのですが、この難治性口内炎は詳細な原因の解明はされてなく、口腔内の細菌やウィルスや、免疫系の関与が疑われている疾患で、いまだ、原因が特定されていません。唯一、改善が認められる方法として全臼歯抜歯があります。
ワクチン時の身体一般検査にて、重度の口内炎がみつかり、処置に至った症例。術後の経過は良好です。
術前


術後


歯は残根しないように丁寧に抜去し、歯槽骨を歯科用のドリルでデブリートいたしました。
過去、何例とやってきていますが、内科管理では中々コントロールできない難治性の口内炎。なるべく歯を抜きたくないと思われる飼い主さんの気持ちも分かります。抜歯でも一部の症例では根治に至らないこともあるとのことですが、今のところ当院で行った全臼歯抜歯を行った症例は全て良好に管理できているのが幸いです。中々、獣医師泣かせの病気ですね。


独り言

口コミで低評価があったといつもHP関連でお世話になっている業者の方から連絡。
確認すると、薬が高くて、ぼったくりと書かれてありました。
返信しましょうか?と聞いてきたので、返信したとして、理由なんて理解してもらえないないから返信しなくて良いですよと返答。以前はコメントに返信した方が良いかなと思った時期もあり、感情を抑えながら丁寧に返信してましたけど、結局、こういった事を書かれる方にはご理解いただけないから、返信は今後一切いたしません。

以下がウチの考えです(長文ですいません)。

薬は原価が安いもの、高すぎるもの、様々あります。
検査もそうです。高価な機械を使えば高くなります。心臓病みたいな特殊な疾患は使う薬がさまざまで、在庫をはくことなく、期限切れになり、処分する薬もある。でも、ないと直ぐに使いたくても入荷に時間かかるものもあります。だから、在庫する。また、設備投資をしていれば、その分のPAYもしなくてはなりません。ただ、検査代だけをバカ高くしてしまうわけにはいかない。ウチではそこの振り幅を是正する様に価格設定をしています。
(逆に、薬の量が倍になったとしても価格は変わらないというようにしてるものもあります。)
多分、それが分からない一部の患者さんはいます。動物病院はすべて同じ設備だと思っていたり、獣医も全員、同じ技量だと思っている患者さん。
常から勉強し、新たな知見を求めて、設備投資や自己投資している獣医師もいます。逆もまたしかりです。幸いに自分の周りの先生方は自己研鑽を惜しまないそんな先生ばかり。そんな環境で仕事できる九州って素晴らしい。
自分もそうでありたいと思い、獣医になってからは常に自己研鑽をしています。歳も50近くになりますが、恥を恐れずに学会発表なんかもしてます(賞は中々とれないですけどね。でも、意見をもらう事で新たな知識を得ます)。また、こんな自分でも獣医学雑誌の記事などを依頼してきてくれる出版社の方もいます。本当にありがたいことです。
設備にお金をかけずにやってる病院であれば(それも病院のやり方なので、自分はどうこう言うつもりはない)、安くしても大丈夫でしょう。
はっきり言いますと、自分は商売は下手ですし、苦手です。顔は怖いし、あまり良いとこありません。足が臭いのか猫がよく寄ってきます。
ただ、飼い主さんには自分の動物が何の病気をしていて、どう向き合うかをサポートできる獣医でありたいので、今のスタンスは変えません。何を言われても。
自分の信念を理解していただき、来られる患者さんに心血注ぎますのでよろしくお願いします。
という独り言です。


今年の診療も無事終了

12月29日(水)の18時をもって2021年の診療を終了しました。
新年は1月4日より診療開始となります。
さて、今年も数多くの動物たちを診察しました。その中で、多くを学び、獣医としての成長もできたと思います。開業して今年で14年が経過。腐ることなく1歩1歩前に歩むことで、気づけば院内設備が増え、色々とできることも多くなりました。今年は特に、学会発表や自分の得意とする分野での雑誌の執筆の依頼(2本)があったりとコロナ禍ではありますが、充実した1年でありました(ありがたいことに来年にももう1本雑誌の執筆が決定しています)。



自分は現在で45歳、アラフィフと言われる年齢になりました。時が経つのは早いものです。来年も悔いが残らないように自分の可能性を信じて突き進みたいですね。


久々のブログ更新です。

長らく更新してませんでしたブログの更新です。
本日、2月18日は朝から結構な積雪があり、先日まで暖かかったのが一変してしまいましたね。さて、そんな積雪もあり、本日の午前中は今のところのんびりと業務を行っています。
さて、話が変わりますが、そんな積雪の中、一人の患者さんの来院がありました。
ちょうど一年前に闘病の末、亡くなったワンちゃんのご家族さんでした。
先生に一年前にお世話になっていたのでご挨拶にとのこと。
他県で仕事をしていたため、中々挨拶に来れなかったとのことでした。
写真が趣味で昔から撮りためていた写真をいくつか見せていただきました。まぁ、本当になんというか、当院には幼いときのワクチン予防などからずっと、何度も診せていただいた子でしたので、お別れの際は、自分やスタッフも含め、非常に悲しいものがありました。飼い主さんはさぞ辛かったと思います。
本日、こうやって来ていたいただき、昔の写真を見せていただけて、尚且つ、飼い主さんから改めて感謝の言葉を頂き、大変ありがたかったです。
眼を細めて笑う顔がとても印象的な柴犬さんでした。
あまりにも綺麗に生き生きとした表情を浮かべている写真でしたので何枚か写真を待合に飾っています。


新年あけましておめでとうございます。&保護犬情報。

新年が明けてもうすぐ10日経過しますが、遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。今年も自分自身また、動物病院としても成長できる一年であるように努力していきます。皆様、どうか変わらず温かい目でみてくださりますようお願いいたします。

さて、新年の挨拶はここまでで、お知らせがあります。
当院の患者様で1月8日にうきは市吉井町の『ゆめマート』にて青の首輪がついた未去勢のオスの柴犬を保護された方がいます。もし、心当たりのある方がいましたらご一報いただければと思います。




子犬のワクチン

3ヶ月の子犬が他の病院で10種ワクチンと狂犬病ワクチンを同時接種され、ワクチンは今後要らないと言われたらしく、心配になってるとの相談の電話がありました。

まず、問題点としては
1.混合ワクチンと狂犬病ワクチンを同時接種している。
2.生後3ヶ月の子犬に対してワクチン接種を1回で済ませている
3.一度のワクチンだけで生涯ワクチン接種が不要としていること
という、3点が挙げられます。

まず、1に関してですが通常、混合ワクチン(ジステンパーやパルボウィルス感染症などの予防ができるワクチン)を接種した場合、次回接種まで3〜4週間の期間をあけるようにワクチンに添付されている文書に記載されています。また、狂犬病ワクチンの添付文書には【本剤と他のワクチンとの同時投与は避けること。】と明記されています。

つまり、【同時に接種しちゃ駄目よ!!】って事です。

また、2の子犬の時期のワクチン接種の回数の件ですが、移行抗体【母体から胎盤を通して貰ってくる病気に対する抗体】の関連から、通常、2ヶ月以上の子犬に3〜4週間間隔で3回接種が基本となっています。理由としては移行抗体が存在するとワクチンの効果がうまく出ないためです。これを【ワクチンブレイク】といいますが、移行抗体の存在はワクチンブレイクを起こす1つの原因となります。なので、結果は移行抗体がない時期に接種するのが一番なのですが、個体によっては2ヶ月で移行抗体が無くなる子犬もいるし、4ヶ月近く移行抗体が残っている子犬もいます。これは見た目だけでは判断できません。
それじゃ〜、移行抗体を測定してワクチン接種すればいいじゃん!!って事になりますが、手間やコストを抜きにすればそれが理想です。ただ、手間やコストを考えると、抗体価を測定するより生後2ヶ月から1ヶ月おきにワクチンを接種していくやり方が健常な子犬にとって簡便で且つ効果的なやり方なのです。

3ですが、成犬になっても定期的にワクチンの追加接種が必要となっています。ですので、今後接種しなくていいというのも間違いです。

折角していただく予防が最大限の効果を発揮できるように予防を行うこと、また、それを行うことによって飼い主さんや動物の生活を守るのが僕ら獣医師の仕事です。正しく皆様にご理解していただきたく書かせていただきました。


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