予防の季節、始まりました!!
2016/04/04(Mon)
さて、2016年度が始まりました。
入社式や入学式の季節ですね?
桜も咲き、当院周辺では先週末が桜の花のピーク。
自分も桜を見学に病院の診療終了後に『流川』まで行ってまいりました。

川沿いに桜の木が多数あり、ライトアップもされていて見事なものでした。
昨年も行ってきたのですが、本当に『流川』の桜は素晴らしい。
さて、話をタイトルに戻します。
春といえば『予防』の季節です。
フィラリア予防、狂犬病予防(ワンちゃんのみ)、ノミ・マダニの予防。
ワンちゃん、ネコちゃんとっても大切な予防ですね?
予防で防げる病気は罹ると命に関わる病気がほとんどです。
当院でも予防目的で来院する方が4月に入り増えました。しっかり予防し、今年も良いペットライフをおくっていただきたいものです。
フィラリア症について2
2015/05/25(Mon)
当院では心臓の検査を行い『肺高血圧症の程度』や『フィラリア成虫の寄生数』を調べ、駆除に関するリスクに同意を得られた場合に駆虫を行っています。
駆虫を施す事により肺高血圧の進行を抑える事が目的です。
先週は2頭のワンちゃんの駆虫プログラムを開始しました。
フィラリアが寄生しているワンちゃんは一度心臓の検査を受けられてみることをお勧めいたします。放置するとフィラリア症は悪化の一途をたどります。
【フィラリアが寄生しているワンちゃんの胸部レントゲン】

【エコー検査にて主肺動脈内にフィラリアが認められます。1】

【エコー検査にて主肺動脈内にフィラリアが認められます。2】
フィラリア症について1
2015/05/25(Mon)
さて、今回はフィラリア症についてです。
以前にも何度かブログに書いたこともありますが、今回も書きます
なぜ書くかというと、やはり当院の周辺の地域は野生動物なども多くフィラリア予防していないワンちゃんはフィラリアに感染するリスクが相当高い地域だからです。
極端な話、フィラリア予防を1ヶ月忘れただけでも感染してしまったワンちゃんもいます。。。
犬のフィラリア症というのはどういった病気か?ということを今一度皆様に理解していただこうと思います。
まず、フィラリア症の理解のためには心臓の血液の流れを知る必要がありますので、そちらから簡単に話をしていきます。
心臓には4つの部屋があります。右心房、右心室、左心房、左心室です。体で使われた血液はまず最初に右心房に入ります。それから右心室に入り肺動脈という血管に血液を送って肺に流れます。肺で酸素化された血液は左心房から左心室に入り全身へ送られます。
フィラリアが好んで寄生する場所は『肺動脈』という血管の中です。
(飼い主様の大半の方はフィラリアは心臓に寄生する寄生虫だと思っている方が多いようですが。。。)
肺動脈にフィラリアが寄生するとそこで肺動脈の炎症や血栓などができていきます。すると肺動脈の血液の流れが悪くなり、肺動脈内の血圧が上がります。これを『肺高血圧症』といいます。『肺高血圧症』がひどくなると右心室に負担がかかります。そして、右心不全を起こすと『腹水』や『胸水』が貯まるようになります。
また、肺動脈に血液が入りにくくなっているため左心房に入る血液量が少なくなります。そうすると全身に流れる血液量が少なくなりいろんな症状が出てきます。(興奮時の失神、循環不全による腎不全など)
この病態がいわゆる『フィラリア症』です。『フィラリア症』というのは『肺高血圧症』の1つの要因です。
『肺高血圧症』というのは人の医療でも原因によりますが難治性の病態です。ひどくなると予後をかなり悪化させます。
(その2に続く)
不整脈
2015/04/11(Sat)
いつもご訪問頂きありがとうございます。
さて、今日は不整脈について少し話をさせていただきます。
不整脈は心臓がきちんとした拍動を行えていない状況のことをいいます。
原因となる事柄は心臓の病気はもちろんのこと、代謝に関わる病気、ホルモンの異常から出てくる病気などが原因していることもあります。
症状は人では動悸やめまい、フラつきや失神といった症状が出てくるものもあります。一般的に動物ではフラつきや失神という症状で飼い主さんがおかしいことに気付き来院されるケースが主です。おそらく、動物は動悸やめまいといった症状を言葉で伝えることができないためだと考えられます。
生理的に出てくる不整脈に関してはそれほど心配ないことの方が多いですが、頻発する不整脈は注意が必要です。ふらつきを伴い徐脈(犬で心拍数が60回/分をきるもの)があるものや、頻脈(安静時に犬で180〜200回/分を超えるもの)などは特に注意が必要です。不整脈の中には致死性の高い不整脈などもあります。
下記はフラつきが主訴で来院のあったワンちゃんに認められた『第3度房室ブロック』という不整脈です。

エコー上で異常な心房から心室への血液流入が認められました。

第3度房室ブロックは犬では心拍数の減少により一般的にフラつきや失神を起こす不整脈です。治療はペースメーカーの埋め込みが必要となります。