たかお動物病院 院長ブログ / BLOG

猫の心臓病

2011/11/30(Wed)


これは猫の肥大型心筋症における僧帽弁の収縮期前方運動(SAM)をMモードでとらえたものです。これが起こると左心室から大動脈に血液を送るルートを狭窄し、2次的に大動脈弁狭窄を起こしたり、僧帽弁逆流を起こしたりします。この症例は生後8ヶ月で心雑音に気付き今で治療開始からちょうど1年経過しております。内服を毎日投薬してもらってるおかげで以前あった僧帽弁逆流は消失し、僧帽弁逆流のためうっ血気味であったのも今は改善しております。ただ、このSAMは心臓の筋肉の異常からくる2次的なものなので完全に消失はしておりません。
猫の心疾患は犬よりも臨床症状が出始めると救命率が著しく悪いように思えます。若いから大丈夫という訳ではなく先天的な要因が原因して起こる心疾患もあります。これから寒さも一層増してきます。心疾患を基礎疾患にもつ動物には厳しい季節がやってきます。心臓の異常を以前指摘されたことのある飼い主さんはもちろんのこと気になる方は一度かかりつけの病院の先生にご相談されることをお勧めいたします。


吐き気と食欲不振

2011/11/29(Tue)


この写真は吐き気と食欲不振で来院のあった症例の内視鏡検査の写真です。
この症例は他の病院2件くらいにも診てもらったそうですが原因が分からないと言われて当院に来院がありました。
当院でも検査をしたのですが炎症反応の数値(CRP)の上昇、胃と十二指腸の運動の低下以外は著変を認めませんでした。飼い主さんには開腹検査も覚悟してもらい、まず内視鏡検査を久留米市のI動物病院のO先生のご協力のもと行わさせていただいた症例です。
胃の出口(幽門といいます)が真っ赤に腫れ上がってました。
生検検査を行い、結果はリンパ球とプラズマ細胞による炎症とのこと。
こういった炎症は自己免疫に関連して起こるものが多いですね。
この症例は今現在、食事の変更と内服にて治療を行っています。治療を開始してから吐き気も無く食欲も出てきました。先日、来院があったのですが、食事を食べ過ぎて困るというくらいになっているそうです。
当初、暗かった飼い主さんの顔も笑顔が垣間見えこちらとしてもうれしい限りです。獣医師をやってて良かったと思える瞬間ですね?


昨日の夜は

2011/11/26(Sat)

昨日の夜は地域の獣医師会の夜間勉強会に出席しました。
PM9:00からのStartでPM11:00くらいまで月1回勉強しています。
昨日は自分を含め4人の獣医師が症例を発表しました。
それぞれの獣医師により色々な考えがあり、それを議論することで凄く勉強になります。
どの職業もそうだと思いますが、やはり、常に新しいものに目を向ける必要があり、常にアップデートしていかなくてはいけないですね?
12月3日、4日と自分は循環器学会に出席してきます。
少しでも患者様に診療という形で還元できるよう一生懸命勉強してきます。期間中は私以外の獣医師で診療は行っております。
ご迷惑をおかけしますがよろしくご理解の程お願いいたします。


12月の診療時間

2011/11/25(Fri)

いつもご訪問いただきありがとうございます。
2011年もあと1ヶ月で終わりを迎えますね?
最近まで暖かかったせいか自分はあまり年末という実感がわいていないのですが・・・
突然ですが12月の当院からの連絡事項です。
よろしくお願いいたします。





ソフトバンクホークス優勝

2011/11/23(Wed)

ご訪問いただきありがとうございます。
ソフトバンクホークス優勝しましたね?8年ぶりに!!
地元福岡の球団が日本一になったことは自分にとって凄くうれしいものがあります。自分にとっては今年1番明るい出来事でした。
近くのソフトバンクショップで記念品を配布していたので早速GETしてきました。診療が終わって夜に行ったのでもう無いかな?と思ってたのですがもらえて良かったです。


冬に悪化する病気

2011/11/22(Tue)

いつもご訪問いただきありがとうございます。
今日は『冬に悪化する病気』と題しました。今回はそのなかでも循環器についてお話ししようかと思います。
実は先日、当院にワクチンを接種されに来院された患者さんの来院がありました。ワクチン時の身体検査から心雑音が聴取されたので、検査を行わさせていただくと、僧帽弁閉鎖不全という弁膜症をおこしていました。

(クリックすると大きくなります。)

僧帽弁の前尖(赤丸で囲っているところ)が変性を受け肥大しています。
これにより、この部位からの血液の左心房内への逆流が起こっています。
この症例は今のところ、臨床症状(発咳、運動不耐など)はまったく起こしていません。
心臓病の初期というのは大抵無症状で経過します。それは、心臓にトラブルが出ても初期は心臓の代償作用で補われるからです。しかし、その代償性の作用が後々の症状の悪化を引き起こし、臨床症状を引き起こしてくるのです。こうなったら、もう、心不全です。冬場は抹消の毛細血管という血管が収縮しており、心臓の負担が増します。ということは循環器疾患を基礎疾患に持つ子にとってはとても厳しい季節になります。
心臓の代償作用はいつ破綻するか分かりません。じゃあ何を行えば良いのか?それは症状の出てないうちからの治療です。進行して重度の状態からの治療は多くの薬を必要とするケースがほとんどです。そして、その効果が得れなく亡くなってしまう動物もいます。ただ、早期からの治療であれば軽度の治療で良い状態を長く続けてあげることができます。
今回、検査を受けていただいた飼い主様には上記の話を理解していただいて初期のお薬ですが、血管を広げ心臓の負担を取ってあげるお薬からスタートさせていただきました。
以前、循環器疾患に関して指摘されたことのある方はかかりつけの動物病院にご相談されると良いかもしれません。


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