たかお動物病院 院長ブログ / BLOG

肺動脈弁狭窄症

2013/04/24(Wed)

いつもご訪問いただきありがとうございます。
本日はちょっと心臓疾患の話をしたいと思います。
今回の内容は『肺動脈弁狭窄』です。
比較的小型犬に認められる先天性の心疾患で、肺動脈弁の低形成や異常のため狭窄が起こり、右心系に圧負荷を起こす病気です。
今回当院にて診断した症例も2ヶ月齢の小型犬でした。ワクチン接種時に心雑音を指摘されていました。
胸部X-rayです。VD像にて主肺動脈の突出および右心系の拡大による心尖部の左方への変位が認められます。ラテラル像でも心拡大が認められます。
↓↓↓
【VD像】


【ラテラル像】


心臓超音波所見では拡大した右心室と肺動脈弁の狭窄(狭窄部位2.5mm)および肺動脈の狭窄部後部拡張が認められました。
【右心室の拡張、心室中隔の平坦化(右心室圧の上昇が明瞭)】

【狭窄部位、狭窄部後部拡張】

【狭窄部位血流速】


この症例は狭窄部位の血流速から収縮期の圧較差を求めると200mmhgを超えていて重度の肺動脈弁狭窄だと判断できます。この症例は今後外科的な治療も考えています。

先天性の心疾患は発見が早ければ完治できる疾患もあります。
ワクチン接種時などに心疾患を指摘された場合は放置せず、検査を受けられるようお勧めいたします。


マダニに注意!!

2013/04/23(Tue)

いつもご訪問ありがとうございます。
春になって気温も上がって来ているせいか、マダニを付けているワンちゃんを見かけるケースが増えてきました。マダニは人や動物にとって厄介な病気を媒介します。例えば人のほうでも最近話題になっている『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)』もマダニが媒介します。犬では『バベシア』という病気が九州では発生が多いです。
これから気温帯もまだまだ上がりマダニが猛威を振るう季節になってきます。是非とも予防を心がけて頂きたいものです。予防薬に関しては塗布するタイプのものや飲ませるタイプのものがあります。お近くの動物病院にお訪ねしていただきご自分のワンちゃん猫ちゃんにあった予防をしていただけたらと思います。下の写真は実際ワンちゃんに付着していたマダニです。吸血しており体が大きくなっております。


ここ最近の色んな病気

2013/03/19(Tue)

いつもご訪問いただきありがとうございます。
最近の当院における症例の報告をさせていただきます。

まずは『便が出にくい』事を主訴に来院された症例です。
当院にて検査をさせていただき、『会陰ヘルニア』と診断した症例です。
『会陰ヘルニア』は未去勢の♂に最も発生しやすい病気で、肛門周囲の尾骨筋、肛門挙筋という筋肉が萎縮する事によって直腸が変位したり、ヘルニア孔に膀胱が反転して突出したりする病気です。予防には早期の去勢手術が有効とされています。(当院では生後6ヶ月齢での去勢手術を推奨しています。)
この『会陰ヘルニア』は便の排出がうまくいかないようになったり、膀胱が反転してしまうと排尿ができなくなり、場合によっては命も脅かします。
今回の症例は膀胱は逸脱してませんでしたが、直腸の変位があり、直腸内に大量の宿便がありました。飼い主様に手術を提案し、同意が得れましたので手術を行いました。
今回の症例のワンちゃんも去勢手術はされていませんでした。
整復は精巣を包んでいる総漿膜を用いてヘルニア孔を閉鎖いたしました。

先日来院がありましたが、便は順調に排出できているみたいです。

次は異物の誤食で来院されたワンちゃんです。
お孫さんが遊んでいたボールを誤って飲み込んでしまったとのことでした。
催吐処置を行うもボールは排出されず、内視鏡での確認と摘出を試みましたが、流石に球体状のものは鉗子が挟める部分も少なく、挟んでも把持力が弱いため胃の噴門(入り口)を通過する事ができず、内視鏡での摘出は不可能と判断し手術に切り替え無事摘出できました。

誤食は動物の疾患の中でも非常に多いです。消化管などで閉塞を起こすと危険ですし、命にもかかわります。今回の症例は閉塞を起こす前に摘出でき良かったです。
異物をもし誤食した場合は症状が出てないからと安心せず必ず病院に来院する事が必要です!!

最後がフィラリア症のワンちゃんの心臓検診です。

心臓エコー検査にて肺動脈の拡張が認められました。
肺動脈弁逆流も認められ、肺動脈弁逆流速がおおよそ4.0m/sec近くあり、この流速から計算すると拡張期に肺動脈と右心室との圧格差が64mmhgちかくあるという結果に・・・
いわゆる肺高血圧(PH)と言った状態です。フィラリア症は犬に肺高血圧症(PH)を起こす代表的な疾患です。
フィラリアはこれからが予防シーズンになりますが、予防でしか完全に防除する手段はありません。フィラリア虫体の寿命が尽きるとフィラリア症は増悪すると言われています。(死んだ虫体が肺動脈梗塞を起こし、肺高血圧が憎悪する。)
フィラリア症になっているワンちゃんは一度しっかりと病態把握のために検診をされる事をお勧めいたします。


起こすと恐ろしい病気1(胃拡張・捻転症候群)

2012/01/24(Tue)

いつもご訪問いただきありがとうございます。
今日は、起こすと恐ろしい病気である胃拡張・捻転症候群についてお話ししようかと思います。
この病気は特に大型犬で胸郭が深い犬種に起こりやすい病気です。
症状としてよく耳にするのが『ご飯を食べて、散歩に行って帰ってきたらぐったりした。吐こうとするが何も出ない。よだれを垂らす。』です。
胃が捻れて胃の入り口(噴門といいます。)と胃の出口(幽門といいます。)が閉塞し、胃の内容物が行き場を失います。なので、吐こうとしても胃のなかのものは出てきません。
しかし、最も重大なのは胃が捻れたために起こる虚血です。
<写真> 血のダメな方はクリックしないでください。

この虚血が続くと血管内で血栓などができます。また虚血した血管内の血液はいろんな生体に悪影響を与える物質が増えているために、捻転を解除した後に重大な影響を生体に与える恐れがあります。いわゆる『クラッシュシンドローム』と呼ばれるものです。
この病気の致死率は凄く高いです。時間が経てば経つ程不利な状況になってきます。
予防としては食後の過度な運動をさけることが重要です。もし、ご自分のワンちゃんがこのような事態になったら、すぐにかかりつけの病院に来院されることをお勧めいたします。


フィラリア症による大静脈症候群

2011/12/06(Tue)

いつもご訪問いただきありがとうございます。
つい先日、フィラリアが原因して起こるベナケバシンドローム(VCS,別名;大静脈症候群)を起こしている患者さんの来院がありました。

VCSとはフィラリアの虫体が心臓の弁(右房室弁)に絡まり、循環不全と重度の貧血を起こす病態で、赤から黒色の尿(血色素尿)が特徴的な疾患です。放置しておくとかなりの確率で死に至ります。もし、こうなってしまったらどうするか?答えはは外科的に絡んでいる虫体の除去が必要になります。本当にフィラリアという病気は恐ろしいものです。
フィラリアという病気の予防は他の病気と違い定期的な予防(経口薬だと1ヶ月に1度の投薬)が必要となり、それを継続しないと予防ができません。そういったところから飲ませ忘れなどがあったりするとフィラリア症に感染してしまうリスクが高くなります。
フィラリア症の予防薬というのは基本的に駆虫薬で蚊に刺されて入ってきたフィラリアの幼虫(刺されて1ヶ月くらいまで)を駆除しています。投薬間隔が長すぎると、フィラリアの幼虫がフィラリア予防薬では駆虫できないくらいまで成長します。そうするとフィラリアに感染してしまうのです。最後まで油断の無いようしっかりフィラリア予防をいたしましょう!!


猫の心臓病

2011/11/30(Wed)


これは猫の肥大型心筋症における僧帽弁の収縮期前方運動(SAM)をMモードでとらえたものです。これが起こると左心室から大動脈に血液を送るルートを狭窄し、2次的に大動脈弁狭窄を起こしたり、僧帽弁逆流を起こしたりします。この症例は生後8ヶ月で心雑音に気付き今で治療開始からちょうど1年経過しております。内服を毎日投薬してもらってるおかげで以前あった僧帽弁逆流は消失し、僧帽弁逆流のためうっ血気味であったのも今は改善しております。ただ、このSAMは心臓の筋肉の異常からくる2次的なものなので完全に消失はしておりません。
猫の心疾患は犬よりも臨床症状が出始めると救命率が著しく悪いように思えます。若いから大丈夫という訳ではなく先天的な要因が原因して起こる心疾患もあります。これから寒さも一層増してきます。心疾患を基礎疾患にもつ動物には厳しい季節がやってきます。心臓の異常を以前指摘されたことのある飼い主さんはもちろんのこと気になる方は一度かかりつけの病院の先生にご相談されることをお勧めいたします。


前へ 1 2 3 4 次へ 

アイペットペット保険対応動物病院

たかお動物病院

〒839-1306
福岡県うきは市吉井町新治358-7
TEL 0943-75-3939

CHECK診療時間
(月火水木金)
9:00〜12:00 / 15:00〜19:00
(土)
9:00〜12:00 / 13:00〜17:00

CHECK定休日 / 日・祝祭日
TOPに戻る