院長ブログ/ BLOG
最近、暖かくなってきましたね?
皆様こんにちは、最近なかなかブログの更新が滞っておりましたスイマセン・・・
春になり、気温も日に日に暖かくなってきておりますが、皆様、如何お過ごしですか?
今日は、先日のブログにも書いていましたが、今の時期から犬、猫に必要な予防に関してお話したいと思っております。一気に色々書いてしまうと読むのも辛いと思いますので、今日はこれ↓
なんだか分かりますか?
そうです、フィラリアですね。犬にはとても有名な病気:フィラリア症の原因となる寄生虫です。最近の疫学調査では猫にも寄生することが知られています。今回は犬、猫のフィラリア症について病気と予防のお話をさせていただきます。
まず、フィラリアは犬猫ともに蚊より伝播されます。皮膚からフィラリアの幼虫が入り、成長を続けて半年以上をかけ、成虫になります。成虫のほとんどは肺動脈という血管の中に寄生し、そこでフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)を産みます。それがまた蚊に吸われ蚊の体内で成長し、他の犬猫に伝播するという病気です。
犬はもともと、フィラリアが生活をおくるには格好の生き物で予防を行わないとフィラリア症になる危険性はすごく高いです。
一方、猫ですが、疫学調査の結果からだと野外の猫の10頭中1頭はフィラリアの抗体を持っているとの結果が出ています。
[猫の場合、犬とは違いフィラリアが寄生しても検査で抗原(フィラリア自身)を測定することはできません。]
また、猫のフィラリア症は犬のフィラリア症より突然死のリスクが高いとも言われています。つまり、猫のフィラリア症は診断が犬とは違い難しく、且つ、フィラリア症になると突然死を起こす可能性のある怖い病気であることが言えます。
当院でも、以前から希望される飼い主様には猫のフィラリア予防を行っています。犬に関してはもう今更ながらの病気かもしれませんが、すごく重要な病気です。一度なってしまうと完治はできない病気なだけに予防が必須な病気でもあります。
しかし、なかなか書くというのは難しいですねぇ(汗)
だから、ブログ更新が滞ってるのかな〜なんて(笑)
副腎皮質機能低下症
2009年の7月の初診以来、もう、1年半以上毎月来院してもらっているモコちゃん。
飼い主さんはもともと千葉にお住まいだったのですが、2年前にこちらに越してこられたそうです。
モコちゃん実は、千葉にいる時にずっと下痢と嘔吐に苦しめられていたようで、入退院を繰り返しているとのことでした。
当院で色々と検査させていただくと、ホルモン性の病気があることが判明!!
その病気とは『副腎皮質機能低下症(アジソン病)』といわれるもの。
この病気は下痢と嘔吐、食欲不振主訴とする病気で、ひどくなると高カリウム血症を起こし、死亡することもある怖い病気です。
それ以来、ずっとお薬を飲んでもらって、定期的な検診を行っています。
治療開始から1年半以上経ちますが、嘔吐や下痢に悩まされることなく維持できている様子。良かった〜!!
今があるのは飼い主さんの懸命なお世話があるおかげです!!
健康診断
本日、先日から定期健康診断を受けていただいた患者様の再診がありました。
以前からフィラリア陽性の子で、健康診断時の胸部X-rayにて肺の異常と心拡大が認められたため、再診での経過確認と心臓の超音波検査です。
今回の胸部X-rayでは肺の異常は良化しており良かったのですが、心臓の超音波検査では
僧房弁の逆流
三尖弁の逆流 4腔断面 カラードップラ
三尖弁の逆流 4腔断面 連続波ドップラ
以上のような所見が・・・
ここには、画像はありませんが、心尖部の短軸像では左心室優位な所見でした。
今のところ飼い主さんがおっしゃるには気になる症状は出てないとのことでしたが、状況が悪化すると肺水腫、胸・腹水貯留などを起こし、QOLを著しく悪化させることが予期されます。そのため飼い主さんには循環器薬での治療を勧めました。
僧房弁逆流に関してはフィラリアとの関連性は低そうですが、三尖弁逆流や右心房の拡大はフィラリアの影響による肺高血圧症の存在が示唆されます。
フィラリアは一度感染を起すと、こういった循環器系のトラブルを起す怖い病気です。完治することはありません。ただし、フィラリアはきっちり予防すれば100%予防可能な病気です。
もうすぐ、フィラリアの予防の季節が到来します。
今年もしっかり、予防していきましょう!!