院長ブログ/ BLOG
フィラリア予防について
いつもご訪問ありがとうございます。
さて、フィラリアの予防シーズン到来ですね。
そんな中、毎年、数件ではございますが、フィラリア予防時のフィラリアの感染の有無をみる血液検査のご質問をいただきます。先日もそういったご質問をいただきましたので、ここに回答をしたいと思います。まず、フィラリアの検査に関してですが、【安全に】フィラリア予防薬を飲んでいただくためには毎年飲ませはじめの時期にチェックが必ず必要になります。
理由としては、フィラリア薬というのは基本飲み薬になります。最近は注射薬もありますが、飲み薬の際は①投薬日にきちんと飲んでいなかったり、②体調が悪いときに飲んでしまい、下痢や嘔吐などで十分に薬が吸収されてなかったり、また、注射薬の場合には体重の変動があったりなどの理由から、予防を行っていたとしても予防がきちんと出来てなかったケースが考えられます。しかも、フィラリア予防薬というのはフィラリアになっていない犬が飲む薬であり、フィラリアになってしまっている犬が知らずに飲むと血液中のミクロフィラリアというフィラリアの仔虫(成虫は肺動脈内に主に寄生)が一気に死滅し、塞栓症などを起こし亡くなる危険性があります。そういった性質の薬なので【要指示医薬品】に指定され、添付書類にも下記のような記載があります。
ただし、ミクロフィラリアの検出の感度は比較的低いため、当院では感度の良い抗原検査キットを用いて検査を行っています。
予防で万が一の状態にならないため行う大切な検査であり、獣医師としては処方に関して責務のある要指示医薬品をいまだに検査もせずに処方している動物病院があるという話を令和のこの時代になっても聞きます。とても悲しいことです。当院は理にかなった獣医療を提供することをモットーにしています。大切な家族を守るためにフィラリアの感染の有無のチェックは毎年、予防開始時に行いましょう。