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僧帽弁閉鎖不全の症例に対して開心術を行い別掲生術を施した症例

いつもご訪問ありがとうございます。さて、先週の話になりますが、3月10日に当院にて開心術を行いました。今回の症例は、当院にて以前から内科治療にて僧帽弁逸脱による僧帽弁閉鎖不全症の治療を受けていただいていた症例でした。しかしながら、数ヶ月前より心拡大が進行し、内科管理でのコントロールが厳しくなってきたため飼い主様に開心による僧帽弁形成術を提案したところ、手術を希望されましたので行いました。やはり、物理的な弁の異常は内科治療では限界があります。
術前の心エコー検査:僧帽弁からの逆流所見


手術は下記のような設備を使い、行ってきます。


心臓の外科手術は外科手術においてもトップクラスに難易度が高い手術になります。最近ではそういった手術でも9割以上の症例が術後の合併症なく退院出来ています。今回、動物心臓血管ケアチーム(JACCT)のご協力をいただき、無事手術を終え、本日、元気に飼い主様の元へワンちゃんをお返しすることが出来ました。今後は、定期的に当院でこのような手術を行っていく予定です。
来月も1例の開心術の予定が決定しております。この症例と同じく僧帽弁閉鎖不全症で内科管理が厳しくなってきている症例です。
自分が獣医師として仕事が出来る間に、当院であとどれくらいの心疾患症例の子に対して開心術を施しお役に立てるかは分からないですが、一つ一つの症例に対して全力で頑張ってきたいと思っています。

術後の心エコー検査:逆流がほぼ消失