院長ブログ/ BLOG
肺動脈弁狭窄症におけるバルーン弁口部拡大術
久々のブログの更新です。
さて、今回は肺動脈弁弁性狭窄の症例の報告になります。
本症例は生後3ヶ月の幼犬でした。
肺動脈の弁性狭窄は先天性心疾患の一つで、狭窄具合が酷ければ酷いほど、右心室に圧力負荷が増え、右心不全や心室性不整脈などの原因になり、突然死を起こすリスクが高くなります。
本症例は狭窄部の血流が下で示すように7m/secを近くあり、圧較差が190mmHg近くありました。
重度の狭窄があるために、心室中隔も左心室側に変位が認められています。
そこで、飼い主様に状況を説明し、同意が得られましたので、バルーンカテーテルを用いたインターベンションを行いました。
下記の通り、バルーンカテーテルにて肺動脈弁弁口部を拡大。
拡大後は流速が3m/sec以下まで落ち、圧較差では150mmHg程度の減圧に成功いたしました。
先日、来院がありましたが、術後の経過は良好で、今のところ再狭窄の所見はありません。様子も以前よりも増して活発になったとのこと。引き続き良い生活を送ってもらえたら嬉しいです。