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3月9日は

当院スタッフ全員で日本臨床獣医学フォーラムの九州地区大会に参加してました。
当日は早朝に病院に集合し、入院動物のお世話をし、終わり次第、学会会場へ・・・
会場は今年も【福岡国際センター】・・・。
当院からは移動に約1時間かかるところでしたが、開始時間前になんとか間に合いました。
いろんな医療器具の展示ブースがあり(家内に内緒で手術器具などを衝動買いしてしまいましたが・・・)、また、学会などでしか会うことのない遠方の同期の先生にも懐かしい再会をしました。
また、学術面も、昨年に引き続きいろんなアップデートがあり、大変勉強になりました。
↓↓コレが当日配布されたハンドアウトです。たくさんの事柄がこの1冊に凝集されています。


脱毛を呈していた症例

昨年度11月初めに当院に脱毛を主訴に来院してこられた症例がありました。
昨年の6月くらいから皮膚が悪化していたとのことでした。
来院当初は下記の写真のような状態・・・
【3ヶ月前の外貌】

経過が長いので、いろいろと検査をさせていただくと【甲状腺機能低下症】と【左右卵巣の腫瘤】が認められました。
治療を行い、先日来院があったのですが、3ヶ月前とかなりの変貌ぶりにこちらも驚きました。
【治療開始から3ヶ月経過した現在の外貌】

大分の日田市の大山から1時間近くかけてのご来院ですので、こまめに当院へ来院が出来ない状況でしたが、なんとか結果が出てくれて一安心です。


心臓病を抱えている動物の手術

いつもご訪問いただきありがとうございます。
今回のブログタイトルは【心疾患を抱えている動物の手術】です。
当院でもよく飼い主様に『この子は心臓が悪いと言われているんだけど手術って大丈夫ですか?』と聞かれる事が多々あります。
確かに心疾患がある動物の手術はそれがない動物と比べリスクはあります。
ただ、手術を行わないと解決の糸口を見いだせない病気もあります。それらはしばしば放置しておくとQOLを著しく低下させたり、死に至ったりする病気だったりします。
自分個人の意見としては心臓の病態を把握し、それに応じた手術計画を立てる事で、手術におけるリスクは下げる事は可能だと思っています。
また、健康な動物の避妊手術や去勢手術、歯石の除去の際の麻酔に関しても同様で手術前の検査にて手術計画を立てる事は重要です。
先日、当院の所在している『うきは市』の隣の『久留米市』より『便が出ない』ことを主訴に患者様の来院がありました。
診察時の胸部の聴診にて心雑音がありました。心検査を行い【僧帽弁閉鎖不全とそれに伴う肺高血圧症】と診断したのですが、排便障害を起こしている原因が【会陰ヘルニア】でした。
【会陰ヘルニア】は手術を行わないと排便障害を克服できません。最近は食欲も落ちているという状況でした。年齢は14歳と高齢ではあるけども、質の高い生活はおくってもらいたいという飼い主様の強い思いがあったため、手術を飼い主様同意の上行いました。
手術前の身体検査に基づく麻酔の選択、強心剤の投与、術後管理を行う事で無事手術を終える事が出来ました。先日、縫合部位の抜糸に来院していただいたのですが傷の具合もよく無事抜糸が出来ました。今後は心臓病の管理を続けて行く予定です。良い生活が行えるようこれからもバックアップしていきます。

【僧帽弁の逆流】


【三尖弁の逆流 流速より肺高血圧症と診断】


【左心房の拡大 LA:左心房 LAu:左心耳 AO:大動脈 RA:右心房 RVOT:右室流出路】


【抜糸時の傷の状況】


今年も残すところあと5日!!年末年始の診療のお知らせです。

今年も残すところあと5日となり、気持ち的に慌ただしくなっておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、年末年始の診療時間ですが、下記の通りとなります。
12月30日まで通常診療とさせていただきます。
12月31日、1月1日、2日、3日は休診となります。
年始は4日より通常の診療業務を行います。

当院で毎年ワクチンやフィラリアなどでご来院のある患者様、現在、当院にて通院治療をされている患者様で急患の場合は一度必ずご連絡いただき、留守番電話にメッセージを入れてください。折り返し連絡いたします。

当院に紹介来院され、無事手術も済んだワンちゃんの患者様から、本日頂き物を頂戴しました。患者様のメッセージがとてもありがたかったです。
自分らは動物を通じて動物と飼い主さんを幸せにする職業だという事を改めて強く感じました。
来年も自分らを通じて一頭でも多くの動物、一人でも多くの飼い主さんに幸せを感じてもらえればと思います。


肺動脈狭窄症

随分とご無沙汰しています。
久々のブログ更新です。
本日は『肺動脈狭窄症』のについてお話します。

肺動脈狭窄というのは生まれつきの心臓および血管奇形により肺動脈の入り口が細くなり、右心系(肺動脈、右心室、右心房、大静脈)の機能を障害する病気です。
肺動脈狭窄と一概に言っても狭窄される(細くなる)部分によって大きく分けると
1.弁下部狭窄
2.弁上部狭窄
3.弁性部狭窄
などの種類があり、他の心奇形と合併することも多くあります(ファロー、VSD、PDAなど、単一冠動脈奇形)。
狭窄の程度により軽度〜重度の病態があります。
症状は失神発作、呼吸促迫、労作性疲労(動いた後にすぐ疲れる)などといった症状が一般的であり、重度のものは『突然死』のリスクが著しく高くなります。
治療は重度の場合は外科的な介入が必要です。(バルーン弁口部拡大術、流出路拡大術など)

下記は肺動脈弁上部狭窄と診断した検査所見です。
症例は7ヶ月のワンちゃん(フレンチブルドック)でした。
狭窄の程度は重度でありました。(狭窄部の最大決流速が682.7cm/sであり圧較差186.4mmHg)
飼い主さんの稟告ではやはり、興奮時に労作性疲労が起こっているようです。
症例は短頭種(鼻の短い犬種)であったため、狭窄の原因が『単一冠動脈奇形』も考えられたため冠動脈造影検査も行いました。

上記の症例はワクチン接種時の健康診断で心雑音が指摘されて比較的早期に今回の診断につなげることができました。ちょっとした『健康診断』でも侮れないなと感じる今日このごろです。治療に関しては慎重に決定していきます。

【エコー所見1:右室流出路に狭窄所見】


【エコー所見2:右室流出路の血流速測定】


【右室流出路造影検査所見:三尖弁逆流もあり後大静脈の一部が造影されています。】


【冠動脈造影検査:単一冠動脈奇形は確認されませんでした。】


10月19日、20日は講習会に参加してきました。

鹿児島大学で開かれた獣医循環器認定医講習会を受講するべく10月19日、20日と鹿児島に出張していました。
朝一に最寄りのJR『筑後吉井駅』から列車に乗りJR『久留米駅』に向けて出発!!
およそ40分くらいで久留米に到着しました。
そこから九州新幹線で鹿児島へ向かい鹿児島大学へ
長らく九州に住んでいますが実は鹿児島に行くのは初めてでした。
鹿児島大学は自分が獣医師を目指すきっかけになった祖父の母校でして初めて訪れるところでしたがなんだか温かい感じのする大学でした。
2日間しっかり勉強をし、1日目の夜は大学の先輩とご飯を食べにいき、帰りは鹿児島のラーメンを堪能。スタッフや家族にお土産を購入し、自分にも・・・。鹿児島限定の紅芋で作った焼酎。早速飲みましたが旨い!!です。良い出張になりました。


<吉井駅:白壁が特徴の駅です。建物は古いですが趣のある駅です>


<久留米駅:もう、自分が知ってる久留米駅じゃなくなっていました。九州新幹線のホームです。>


<鹿児島大学の正門>





<大学敷地内に焼酎の酒蔵がっ!!流石、鹿児島!!>


<夜行ったお店のお通し。ノリ先生、ごちそうさまでした!!>


<こむらさき:鹿児島ラーメン>


<あっさりとした味のラーメン>


<鹿児島限定の紅芋焼酎>