院長ブログ/ BLOG
11月の診療時間変更について
11月17日(土曜日)と11月18日(日曜日)は動物臨床医学研究所主催の学会出席のため休診とさせていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、患者様により良い医療を提供するため勉強して参りますのでご理解の程よろしくお願いいたします
動脈管開存症(PDA:Patent Ductus Arteriosus)
胎生期(母親のお腹の中にいる時)に胎子が正常に発育・成長するために成体には存在しない循環路があります。それは臍動脈および臍静脈からなる胎盤循環、静脈管、卵円孔ならびに動脈管であります。出生を境にこれらの循環は存在意義を失うため閉鎖・退行します。
今回の症例は出生しても動脈管が閉鎖せず動脈管開存症(PDA:Patent Ductus Arteriosus)と診断した症例です。放置するといずれ心不全に至り死亡します。ですので早期の外科手術による動脈管の閉鎖が必要になります。
このPDAの検査所見で特徴的なのが収縮期、拡張期共にみとめられる連続性の異常血流です。
超音波検査での診断が有効でした。
外科手術①
開胸したところです。AO:大動脈が確認できます。
*印のところが動脈管です。これを通り大動脈と肺動脈の血液の交流がありました。本来であれば出生後はこの血管は閉じてなくてはいけません。
外科手術②
動脈管に糸をかけたところです。動脈管に糸をかける操作がこの手術のキモになります。
外科手術後は連続性の雑音も聴取されなくなりました。今のところ経過も良好です。
最後に
この拡大鏡が凄い役立ちました!!↓
またまた
いつもご訪問いただきありがとうございます。
またまた猫ちゃんの消化管閉塞の症例です。
昨日から嘔吐を呈し食欲廃絶とのことで来院がありました。
今回も腹部超音波検査が診断に大いに役立ってくれました。
<血液が苦手な方は動画の閲覧は控えてください>
消化管閉塞
いつもご訪問ありがとうございます。
随分とブログを放置してました・・・スイマセン・・・
さて、9月より当院は6年目を迎える事となりました。
開業して5年・・・あっという間でした。(笑)
毎日を必死におくっていると時間が経つのは早いですね?
さて、6年目を迎えるにあたり、病院の設備を増やしました!!
今回、導入したのはコレ↓
TOSHIBA Aplio 300
そうです。超音波装置を一新しました。
以前の超音波装置と比べると吐き出す画質はまるで別物です。
つい先日、この超音波が役立つ時が来ました!!
慢性の嘔吐、体重減少を主訴に来院された症例ですが、この超音波装置のおかげで診断が非常にスピーディでした。日々の技術の進歩というのはすごいですね?
診療時間変更のお知らせ
急なお知らせで申し訳ございません。
私の恩師が会長を務めるVCSS(獣医心臓外科協会)主催のセミナーに参加のため、9月2日(日曜日)の診療時間をAM9:00〜12:00までとさせていただきます。ご迷惑をおかけしますが今後の診療に役立てるため勉強して参ります。よろしくご理解の程お願いいたします。
会陰ヘルニア
食欲廃絶、嘔吐を主訴に来院されたワンちゃん。
会陰部(肛門の周囲)にヘルニアを起こしており、膀胱が腹腔内から反転し脱出しておりました・・・
排尿困難になっており、腎不全に至っていました。
すぐさま尿道カテーテルを設置し、入院での治療を開始。
翌日には腎不全も緩和したため、ヘルニアの手術を行いました。
実はこの会陰部のヘルニアは高齢の未去勢♂の罹患率が高い病気です。男性ホルモンの影響で肛門周囲の筋肉(尾骨筋、肛門挙筋など)が退縮してしまい、そこに隙間ができヘルニアになってしまうという病気・・・若いうちに去勢手術を行えばこの病気の発症リスクはかなり激減します。
ヘルニアを起こして去勢手術だけを行っても筋肉の退縮は戻りませんのでヘルニアは治りません・・・
また筋肉の退縮から起こるヘルニアなので手術を行っても再発するリスクのある獣医師泣かせの病気でもあります。
今回の症例は筋肉の退縮が重度に起こっておりヘルニア孔を閉じるために中々苦労しました。筋肉だけの縫合では不十分なため、総鞘膜という睾丸を包んでいる膜を利用し整復しました。無事整復できほっと一息です!!