たかお動物病院 院長ブログ / BLOG

副腎皮質機能低下症

2011/03/11(Fri)

2009年の7月の初診以来、もう、1年半以上毎月来院してもらっているモコちゃん。

飼い主さんはもともと千葉にお住まいだったのですが、2年前にこちらに越してこられたそうです。
モコちゃん実は、千葉にいる時にずっと下痢と嘔吐に苦しめられていたようで、入退院を繰り返しているとのことでした。
当院で色々と検査させていただくと、ホルモン性の病気があることが判明!!
その病気とは『副腎皮質機能低下症(アジソン病)』といわれるもの。
この病気は下痢と嘔吐、食欲不振主訴とする病気で、ひどくなると高カリウム血症を起こし、死亡することもある怖い病気です。
それ以来、ずっとお薬を飲んでもらって、定期的な検診を行っています。
治療開始から1年半以上経ちますが、嘔吐や下痢に悩まされることなく維持できている様子。良かった〜!!
今があるのは飼い主さんの懸命なお世話があるおかげです!!


健康診断

2011/03/01(Tue)

本日、先日から定期健康診断を受けていただいた患者様の再診がありました。
以前からフィラリア陽性の子で、健康診断時の胸部X-rayにて肺の異常と心拡大が認められたため、再診での経過確認と心臓の超音波検査です。
今回の胸部X-rayでは肺の異常は良化しており良かったのですが、心臓の超音波検査では


僧房弁の逆流

三尖弁の逆流 4腔断面 カラードップラ

三尖弁の逆流 4腔断面 連続波ドップラ


以上のような所見が・・・
ここには、画像はありませんが、心尖部の短軸像では左心室優位な所見でした。
今のところ飼い主さんがおっしゃるには気になる症状は出てないとのことでしたが、状況が悪化すると肺水腫、胸・腹水貯留などを起こし、QOLを著しく悪化させることが予期されます。そのため飼い主さんには循環器薬での治療を勧めました。

僧房弁逆流に関してはフィラリアとの関連性は低そうですが、三尖弁逆流や右心房の拡大はフィラリアの影響による肺高血圧症の存在が示唆されます。

フィラリアは一度感染を起すと、こういった循環器系のトラブルを起す怖い病気です。完治することはありません。ただし、フィラリアはきっちり予防すれば100%予防可能な病気です。

もうすぐ、フィラリアの予防の季節が到来します。
今年もしっかり、予防していきましょう!!


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