院長ブログ/ BLOG
猫の呼吸困難
いつも、ご訪問ありがとうございます。
先日、当院に呼吸困難を主訴とした猫の来院がありました。
飼い主さんの話では、口を開けて呼吸をしているとのこと。
以前から心臓に問題のある子(肺動脈弁狭窄症)で内科治療を行っていたのですが、ここ最近、その内科治療が続けられていませんでした。
早速、胸部X-rayをとると・・・
背腹像(DV像)
ラテラル像
胸腔内の異常が確認され、超音波検査を行うと液体の貯留が確認されました。
胸の中にこのような液体が200ml程貯留。
液体は細胞成分に乏しいものでした。
あわせて、心臓超音波検査も行いました。
このように、拡大した右心房(RA)と右心室(RV)が認められます。
肺動脈弁狭窄症も以前よりひどくなっておりました。
長軸断面:拡大した右心房(RA)と右心室(RV)
右心房、右心室の重度の拡大はありますが、三尖弁(右房室弁の)逆流は併発しておりませんでした。
このような状況になったのはやはり、肺動脈弁狭窄が原因です。
検査後、内科治療を行い、現在は
のように液体の貯留も落ち着きました。よかった〜!!
今後の治療のこともありますが、とりあえず一旦状況が落ち着いたことが何よりです。
雌猫の排尿異常
こんにちは。
今週、ちょっと珍しい雌猫の膀胱結石の症例が2例続きましたのでご報告させていただきます。
まず、1例目、最近、排尿の回数が多いということで来院された症例のエコー検査所見です。音響陰影によって縁取られた結石が見えるかと思います。
X-rayを撮影すると
ちょうど真ん中の位置に骨と同じ白さで写っている結石が見えるかと思います。
2例目、主訴はかなり以前から排尿の仕方がおかしい。昨日の尿に血液が混じっていた。以前から(2〜3年前)位から排尿回数が多い。ただ、その時は出血はなかった。ということで来院のあった症例のエコー所見です。
ちょうど、膀胱の尾側に先ほどの症例と同じような音響陰影によって縁取られたものを発見しました。ただ、この位置は腫瘍なども起こりやすい位置のため、膀胱内にカテーテルを入れ、生理食塩水を注入すると・・・
このように、位置が動きました。
この症例ではX-rayでの結石の確認ができませんでしたが、X-rayに写らない結石もあります。はっきりしたことはこれから検査を入れていかなくてはいけませんし、外科手術による摘出なども考えなければなりません。
犬にも言えることですが、雄の場合尿道が長いので、小さな結石でも尿道に詰まりやすく、放置しておくと腎不全に陥る場合が多々あるのですが、雌の場合は比較的、雄よりはそういった傾向は雄より少ないようです。しかしながら、雌の方が飼い主さんが症状に気づきにくく、今回の症例のように巨大な結石として発見されることが多いように思えます。
排尿異常があるようであれば、早めの受診をお勧めいたします。
暑いですね〜!!
日に日に暑くなってきましたね?
動物たちにとっては辛い季節となってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
うちの猫たちはこんな感じ・・・
↓
朝からずっとこういった感じで過ごしています。
暑くなってくると熱中症が心配ですね?
特に基礎疾患(呼吸器や循環器疾患、代謝性疾患)などがある子は要注意です!!
少しでも、涼しいところでお水なども十分に補給してくださいね?
お散歩は日差しが強い時間帯は避けましょう。
か、痒い・・・
皮膚を痒がるとのことで来院されたチワワさん・・・
飼い主さんの話によると、市販のノミ予防薬をしているがノミがいてお尻のところがこんな風になってしまって、ものすごく痒がっているとのこと・・・
たしかにコレは痒そうですね〜。自分で皮膚を咬んで急性湿疹になっているところもあります。
早速、院内にてノミ駆除剤を塗布し、お薬にて治療です。
きっちりと効果のある駆除剤(駆虫効果があり、長期間効果が持続するもの)などを用いて予防すれば、ノミ性の皮膚炎になることはそう滅多にありません。
大切な動物がノミによる皮膚炎の痒みで悩まないでいいようにしてあげたいですね?
子犬のおしりから
1週間前にもらってきたばかりの子犬のお尻から虫が出てきたということで来院。
それで、どんな虫かというと
コレです↓(お食事中の方すいません・・・あと、飼い主さん、勇気を振り絞って持参していただきありがとうございます!!)
回虫です。糞便検査においてもたくさんの卵が確認されました。
比較的、駆虫薬で駆虫しやすい寄生虫です。
子犬の成長に悪影響を及ぼすものなので、早速、駆虫薬にて治療開始です。
排尿に時間がかかる
こんにちは
排尿に時間がかかり、食欲も落ちてきているという雌のワンちゃんが来院されました。飼い主さんもかなり心配されてました。
各種検査を行うと膀胱内に結石が・・・
早速、手術にて結石を除去しました。
↓
こういったのが膀胱内にあると痛いですよね〜!!
結石除去後は元気さも出てき始めました。
結石は犬猫に多いストラバイトという結石でした。
この結石は膀胱炎に関わりが深い結石で、結石除去後も再発に注意する必要があります。
個人的な見解ですが、雄犬の場合は尿道が長く、巨大結石になるまでに尿道内に詰まってしまうことが多いのですが、雌犬の場合は尿道内に詰まる危険性は雄より少なく、巨大結石ができ発見されることの方が多いような気がします。
排尿異常は注意が必要です。
今後、このワンちゃんは処方食などを用いて再発の予防に取り組む予定です。